■均窯〈きんよう〉
乳濁する釉薬に銅を加え還元で焼いたものです。一般的に均窯(鈞窯)と呼ばれている釉薬ですが当窯元には桃色がかった均窯と、青味がかった均窯(鈞窯)とがあります。桃色がかった均窯に、赤黒く流れやすい辰砂(辰砂釉)をかけてアクセントをつけることもあります。
■銅緑釉〈どうりょくゆう〉
緑色を出す釉薬は織部(お りべ 銅を着色剤に使ってほとんど酸化焼成したもの)やクロームを着色剤に使ったものなどがありますが、これは織部と同じ銅を着色剤につかったものです。 織部と違うところは充分に還元をきかせた焼き方をしているところにあります。そのため、緑色の中にピンクがかった部分が生じます。緑色とピンク色、白色の バランスが見所だと思います。
■天目辰砂〈てんもくしんしゃ〉
天目系の釉薬と辰砂(辰砂釉)をかけわけた釉薬です。したがって一種類の釉薬ではありません。漆をつかってこのように色分けしたものがありますが、これを焼き物であらわしてみました。
釉薬名というより技法の分類になると思います。
■白釉(はくゆう) 白釉(ツブ)〈はくゆう(つぶ)〉
ワラ白系の釉薬ですが、単なるワラ白ではないので、当窯元ではこのように呼んでいます。正面がつるっとしたものとざらっとしたものがあります。ざらっとしたものを「白釉(つぶ)」と呼んでいます。近くに辰砂(辰砂釉)があった場合、辰砂(辰砂釉)の銅分が飛んで、白釉に写り、部分的に青くなることがあります。これを当窯元では「辰砂(辰砂釉)写し」になったといっています。